企業戦略の中核を担う
Webプロモーションから、人材育成まで。
外部コンサルとして、腕をふるいます!
弊社と取引のある企業の方をお招きし、案件の窓口となったスタッフとの忌憚なきトークをWeb上で展開していくこのコーナー。今回は、株式会社中川ケミカルより、代表取締役社長の中川興一氏と、若手デザイナーの細川直祥氏に登場していただきます。オフィスや店舗の壁面ディスプレイや、公共施設の案内サイン、前衛的な現代アートなど、実に様々な印象で我々の目に飛び込み、メッセージを与える「カッティングシート®」。いまや一つの文化として我が国に浸透し、一般名称化すらしているこの「カッティングシート®」という素材ですが、実は、中川ケミカル社のオリジナル商品であり、登録商標であることはあまり知られていません。そんな同社の代表取締役社長を務める中川氏と、弊社代表の政所。なんと、10年以上もさかのぼる、アメリカ遊学中に出会い、そこで意気投合した仲というから、驚きです。その後、2人が帰国し、互いにビジネスパートナーとして認め合う関係になって数年。現在では、同社のWeb制作を請け負うだけにとどまらず、政所には「Webコンサルタント」という肩書きが与えられ、多い時は週の半分ちかくの時間を同社の経営戦略会議に費やすと同時に、新人育成にも尽力するまでの関係に至りました。もう一人のゲストである細川氏は、将来的に同社のWebマーケティングの中心的な存在となるべく、数ヶ月にわたって弊社に武者修行に来た経歴を持つ、言わば政所の愛弟子でもあります。「色で世の中に貢献する――。」 崇高な志を掲げた創業から、早半世紀。日本のデザイン業界の最高峰とも言える土俵で、ビジネスやアート、文化創造、社会貢献……と多角的な展開を図る同社が見据える今後の展望とは? 3人による鼎談が始まります。
“発注者 - 受注者”という関係を超えて……
政所 :長く日本のデザイン業界を牽引してきた御社ですが、これまで、どのような歴史を歩んできたのでしょう。
中川氏:『中川堂』という、私の祖父がやっていた会社が、今につながる原点です。いわゆる看板屋さんですね。店舗の看板や内装を扱っていました。当時の看板といえば、筆とペンキで書くのが主流で、つまり、特別な技術が必要な職人の世界ですよね。そんな中、創業者でもある私の父が、それに代わるものとして、今のカッティングシート®の原型とも言える商品を開発したんです。
最初は当然、まったく相手にされなくて、売れない時期が数年つづきました。ただ、東京オリンピックが開催されたり、新幹線が開通したり、そういった大きな時間の流れの中で、時代のニーズにマッチしたのか、徐々に世の中に浸透していったんです。
新大阪駅の案内表示に使用されたことがきっかけに、成田空港や全国のメガバンクなど、一般的にもどんどん普及していったそうですよ。つまり、それまでの塗料では成し得なかった、新しい文化を生み出した会社であり、言わば、我々の歴史は、そのまま、日本の街の景観の歴史と言っても過言ではないと思います。
政所 :今ではメーカーとしての機能だけでなく、『CSデザイン賞』などのコンペも運営されていますね。
中川氏:やはり新しい文化を作り上げたパイオニア企業としての責任から、「色で世の中に貢献したい」という強い気持ちが父にはあったようです。それを啓蒙する手段として、33年前にスタートさせたのが『CSデザイン賞』ですね。
「色で世の中をもっと良くしたい」「美しい街づくりに寄与したい」……。当時、父が掲げていたそういった理念に対して、多くの方々に共感いただき、東京オリンピックでデザイン専門委員会委員長を務めた勝見勝先生をはじめ、日本の最高峰のデザイナーさんたちが、どんどんコンペに賛同してくれたんです。これは当時としては、本当に画期的なこと。結果として、1人いるだけで、十分デザインコンペとして成立するようなレベルの大先生が、何人も集まるものすごく豪華なコンペとなりました。それは今もそうですね。このデザインコンペを通じて、日本のデザイン業界とも強いつながりを築いていくことができました。
政所 :僕たちの出会いの頃、アメリカ時代を覚えていますか?
中川氏:うん、よく覚えているよ。いつも2人で朝まで飲みながら語りあったよね。お互いが見据えているビジョンや、将来どういうことがやりたいのかっていう話ばかり。今まで言ったことがあったかどうか分からないけど、僕は当時から「いつかこの人と仕事がしたい」ってずっと思っていたんだ。今は単にWebサイト制作を発注するだけではなく、うちの『経営企画室』という部署にまで参画してもらって、経営戦略面の中心で腕をふるってくれている。そう考えると、不思議な縁だよね。
政所 :そうですね。Webプロモーションを中心としたコンサルタントとして御社のビジネスに携わって、もう3年になります。
中川氏:一般的に言って、「Webサイト制作の発注者と受注者」という関係だけだと、ここまでできないよ。やっぱり時間の制約もあるしさ。今では、うちの会社にどっぷりと浸かって、会社の空気や、商品の性質を掴んだからこそ可能になった深いコミュニケーションができるようになっているよね。特にうちの商品って少し特殊だし、外の人からは分かりにくいモノだから。よくここまで時間をかけて、会社の中に入り込んでくれたなっていう印象です。
これは本当にありがたいことだし、さらに、新人の育成までお願いしちゃって。細川も確か、入社したばかりの頃は、カラーコーディネーションにおじゃましてたんだよね?
細川氏:はい。通っていました。いろいろと勉強するために、3ヶ月ほど。
中川氏:それもすごくよかったね。政所君には何度も弊社に来てもらっているけど、細川に関しては、そちらに行かせてもらっていたんだから。すでに彼の仕事の代わりをできる人はいないレベルまで成長しているし、短期間で、非常にいい経験をしたんだろうね。
政所 :細川君とは、その頃から今に至るまで、めちゃめちゃ頻繁に会ってます。仲の良い友達の数倍の頻度ですからね(笑)
中川氏:知らないうちに、オレよりも親密な関係を築いているよね(笑)